【完】私は貴方を愛せない
それから半年ほど、私と祐樹は暇な時間を共にした。
仕事の時間も店の裏で少し愛をはぐくむ。
休みの日は彼の家でお互いを絡め合う。
季節はあっという間に冬だ。
年は明けて一月になっている。
今日は店が休み。
いつもは彼の家で私が料理を作ってまったりするはずが、今日は高級レストランへと連れていかれた。
「・・・じゃあ乾杯しようか」
「うん!」
「君の瞳に乾杯。なんてね」
「ふふっ古いんだね笑。乾杯!」
高級なワインに高級な料理。
ここは確か過去に二人目の復讐した相手のお店だ。
・・・懐かしく思う。
彼の優しい笑顔が今目の前にいる祐樹に重なった。
「今日はどうしてこんなレストランに連れてきてくれたの?」
「ああ・・・それは。その・・・」
「ん?」
「俺との今の関係はまだなんか良く分からない関係だろ?」
「うん」
「だから、その・・・。それをはっきりさせようと思って」
「・・・う、うん」
「俺と結婚してくれない?」
「!?」
「驚くのにも無理はないな。・・・前の妻と別れてからまだ半年しかたってないし、君とも正式に付き合ったというのもすっ飛ばしたから」
「・・・私でいいの?」
「君がいいんだ」
「嬉しい」