契約妻ですが、とろとろに愛されてます

外泊

ふわふわ身体が浮いている感覚に私は目を開けた。琉聖さんのシャープな顎のラインが見える。


「起きたのか」


気配を察して琉聖さんが見下ろす。私は琉聖さんにお姫様抱っこされていた。


「ここ……」


はっきりしてきた意識を周りに向けると琉聖さんのマンションのリビングルームだとわかった。私は静かにソファの上に降ろされた。


私は何がなんだかわからなくてキョトンとした顔で琉聖さんを見つめる。


「玲子に外泊許可をもらった」


「琉聖さん……」


「だたし、薬がこれから飲む分しかないから朝起きたらすぐに病院へ戻るからな?」


「ありがとう 琉聖さんっ」


嬉しくて立っている琉聖さんに抱きつく。病室へ戻らないでいい……嬉しくてはしゃいでしまいそう。


「子供みたいだな」


ぎゅうっと抱きつく私の身体を琉聖さんも抱きしめてくれる。


「本当に嬉しいんだもの」


柚葉を見つめる金色の瞳が柔らかい。本当の恋人ではないけれど、本当の恋人同士だと錯覚してしまいそう。


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