契約妻ですが、とろとろに愛されてます
私をシーツの上に静かに降ろした琉聖さんは、首筋に顔を埋めた。唇を感じそれだけなのに、身体の芯がじわっと痺れてくる。


「っあ……」


唇を塞がれ、貪欲に貪られる。何度も離れては触れるキスを繰り返される。この先の行為をじらすようにキスは何度も繰り返される。


でも琉聖さんはキスをするだけ。


「琉聖さん……?」


「病人を襲うほどいい加減な男じゃないつもりだ」


琉聖さんは私の髪をゆっくり撫でてくる。


「さあ、もう寝るんだ 体に負担がかかる」


私の頭の下に腕を差し入れ、腕枕をしてくれる。


「……おやすみなさい……今日は、ありがとう……」


「ああ おやすみ」


額にふんわりとキスが落とされて私は目を閉じた。


琉聖さんの規則正しい脈が静かに頭に響いてくる。その音を聞きながら私は眠りに落ちた。


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