契約妻ですが、とろとろに愛されてます
窓の外をぼんやり見ているとノックの音に我に返る。
「はい?」
看護師さんだろうとドアに顔を向けて返事をすると、ドアが開いた。
「菜々美さん……」
いつもの看護師さんではなく、菜々美さんが入口に立っていた。
「あら、名前を覚えていてくれたのね?嬉しいわ」
にっこりと笑みを浮かべながら近づいてくる。スラリとした肢体に幾何学模様の赤紫系の華やかなワンピースを身に着けている。歩くと裾がふんわりと舞う。私は近づいてくる菜々美さんを驚きながら見ていた。
ベッドの側に立った菜々美さんはお見舞いの花束を私の膝の上に置く。
「ありがとう……ございます……」
「いきなり来て驚かせちゃったかしら?」
菜々美さんの顔を改めて近くで見てみると女優さんのようにきれいな人だった。自信に満ち溢れ、生き生きとした表情で私を見降ろすように見ている。
「何の御用ですか?」
つい、つっけんどんな言い方をしてしまう。
「そうね 貴方とはお友達になれないタイプだから用件だけ言うわ 婚約を破棄して」
単刀直入に言われたけれど、それには驚かなかった。私に会いに来る用はそれしかないと思ったから。でも、いきなりやって来てそんなことを言われても返事なんかできない。
「貴方と一緒になっても琉聖は幸せになれないわ だって、貴方は健康じゃないんですもの」
「私達のことは貴方には関係ないことです!」
健康じゃないと言われてつい声を荒げてしまう。
「はい?」
看護師さんだろうとドアに顔を向けて返事をすると、ドアが開いた。
「菜々美さん……」
いつもの看護師さんではなく、菜々美さんが入口に立っていた。
「あら、名前を覚えていてくれたのね?嬉しいわ」
にっこりと笑みを浮かべながら近づいてくる。スラリとした肢体に幾何学模様の赤紫系の華やかなワンピースを身に着けている。歩くと裾がふんわりと舞う。私は近づいてくる菜々美さんを驚きながら見ていた。
ベッドの側に立った菜々美さんはお見舞いの花束を私の膝の上に置く。
「ありがとう……ございます……」
「いきなり来て驚かせちゃったかしら?」
菜々美さんの顔を改めて近くで見てみると女優さんのようにきれいな人だった。自信に満ち溢れ、生き生きとした表情で私を見降ろすように見ている。
「何の御用ですか?」
つい、つっけんどんな言い方をしてしまう。
「そうね 貴方とはお友達になれないタイプだから用件だけ言うわ 婚約を破棄して」
単刀直入に言われたけれど、それには驚かなかった。私に会いに来る用はそれしかないと思ったから。でも、いきなりやって来てそんなことを言われても返事なんかできない。
「貴方と一緒になっても琉聖は幸せになれないわ だって、貴方は健康じゃないんですもの」
「私達のことは貴方には関係ないことです!」
健康じゃないと言われてつい声を荒げてしまう。