契約妻ですが、とろとろに愛されてます
今日の病室には楽しい笑い声が響いていた。佳美先輩と麻奈が遊びに来てくれたからだ。


思い出し笑いをしてクスッと笑みを漏らすと、麻奈が「なに?なに?」って聞いてくる。


「佳美先輩が真っ赤になった所を思い出して笑っちゃった」


「あらっ!仕方ないじゃないっ あんな美貌の男性をまじかで見たのは初めてなんだからっ」


佳美先輩が再び頬を赤らませて弁解するように言った。


琉聖さん、今は会議で出掛けていないけれど、ふたりが来た時まだいた。佳美先輩は私が初めて見るんじゃないかって言うくらい琉聖さんを見てぼうっとしていた。


「佳美先輩、私だって真宮さんの姿には直視できないですよ」


麻奈が佳美先輩を慰めるように言う。


「柚葉が羨ましいわ~ 長身にスーツの上からでもわかる鍛えられた身体。それでもって、天下の真宮コーポレーションの副社長 顔が芸能人よりカッコいいときたら柚葉、あんたこれから大変だよ?」


佳美先輩が琉聖さんの良い所を言いながら指を一本ずつ折っている。


「鍛えられた身体って、見ればわかるんですか?」


私はポカンとなってふたりを見た。


「だって来た時はまだ上着を着ていなかったじゃない、ワイシャツの上からでも上腕筋や胸筋がわかったわよ」


佳美先輩が思い出したようにうっとりとなる。


「あんまりムキムキは好きじゃないけれど、程よく付いている筋肉って好きなのよね」


そうなんだろうか……ふと、脳裏に琉聖さんの裸の上半身が浮かんできて急いで大きく頭を振った。


「柚葉、顔が赤いっ!何を想像しているのよっ!」


「えっ?えっ?」


麻奈が可笑しそうに笑い、その場は更に笑い声に包まれた。

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