契約妻ですが、とろとろに愛されてます
次の瞬間、ぐいっと腕を引っ張られて私は真宮さんに組み敷かれた。


目の前には真宮さんの秀麗な顔。


楽しそうな笑みを口元に浮かべている。


「は、離れてください……」


「新鮮な反応だな」


どうやら私の初心(うぶ)な反応を楽しんでいるみたいだ。


「貴方のガールフレンドと一緒にしないでください」


「一緒にはしていない」


クッと喉の奥で笑う真宮さんはどういうわけか、私に顔を近づけてくる。


「か、顔が近いです」


「君にキスをしたらどんな反応をしてくれるか楽しみだな」


そう言って更に端正な顔を近づけてくる。


逃れようにも顔のすぐ側に両手を着かれて動かせない。


「何を言っているんですかっ!やめて下さいっ!」


私達の唇が重なるまであと少しという所でインターホンが鳴った。


一瞬真宮さんの動きが止まったけれど、無視することに決めたようで再び顔が近づいてくる。



ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!



勢いよく鳴るインターホンのあまりのうるささに真宮さんは何やら毒づき、私から離れるとイスの背にかけてあったシャツを羽織った。


その間も近所迷惑になるほどインターホンが悲鳴を上げていた。



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