契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「う……美味しくないから……」


「栄養のバランスを考えてあるんだ、食べないと良くならないぞ?」


琉聖さんに軽く睨まれて、私は渋々とご飯を口にした。


「良い子だ」


良い子って……完全に子ども扱いされているみたい……。


でも、琉聖さんにそう言われるのは嫌いじゃない。おまけに頭をポンポンと軽く叩いてからソファに戻りスーツの上着を脱いでいる。


「今日は楽しかったか?」


上着を脱ぎ、ワイシャツの袖を無造作にまくった琉聖さんはベッドの端に腰をかける。


「うん ふたりと話したら、早く職場に戻って仕事がしたくなっちゃった」


「後は……誰も来なかったか?」


「うん、どうして?」


「いや、何でもない 早く食べろよ 抱きしめたい」


「えっ……」


不意に言われた甘い言葉に私はお箸を持ちながら真っ赤になった。


琉聖さんといる時間はあっという間に過ぎてしまい、就寝時刻になってしまった。


「おやすみ ゆず」


私は眠り、琉聖さんは自宅へ戻る時間。


「うん 車、気を付けてね?おやすみなさい」


琉聖さんは私の頬にキスを落とすと、病室を出て行った。


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