契約妻ですが、とろとろに愛されてます
真宮さんが寝室から出て行った後、身体を起こし昨晩を思い出そうとした。
お、思い出せない……。
それでも、真宮さんの元カノの顔を思い出し、やっぱり酷いな……なんて思っていると、ドアの向こうがにわかに騒がしくなった。
少し開いたドアの隙間から女性の声が聞こえてくる。
「――琉聖、出てくるのが遅いわよ!」
真宮さんを責める声がドンドン大きくなってくる。
……もしかして、また彼女?
また女性がらみなのかと、私の心臓が暴れ始めた。
「朝っぱらから何の用なんだ?」
真宮さんの冷たく不機嫌な声。恋人に言うようには聞こえない。
「ちょっとねっ」
「勘弁してくれ、帰ってくれないか お、おいっ!寝室は!」
えっ!?来ちゃう?どうしよう!
ベッドの向こう側に隠れようかと立ち上がった時、寝室のドアが開けられた。
「っ!あ、あの……」
私はベッドの上に立ったまま動けなかった。
「あら~ 可愛い子じゃない! 琉聖 あなたにしては珍しいタイプだけど」
よくわからないけれど、女性は私を見て嬉しそうに近づいてくる。
「あ、あの……」
真宮さんの彼女?それにしては笑っているし……あ、瞳が同じ色……。
「お袋、彼女が驚いている」
私はバカみたいな顔で、良く似た瞳を持つふたりを見比べた。
お、お袋……お母さんだったなんて、彼女よりもよくない気がする。
だけど真宮さんのお母様は私を見て更に笑みを深めている。
「ごめんなさいね?急に現れて 琉聖がここに女性を連れ込んだ――」
「お袋!」
大きな声でさえぎった真宮さんは片手を額に置いてため息を吐いている。
「こ、こちらこそ すみません 下山 柚葉と申します」
その場に座ると、ベッドの上で指を付いて頭を下げていた。
「私は琉聖の母よ 貴子さんって呼んでね? そう呼ばれるのが夢だったの ほら、呼んで?」
にっこり私に笑いかける。
「た、貴子さん……」
勢いに押されて言葉にする。
「そうよ~ 素敵だわっ!」
貴子さんは嬉しそうに子供のようにはしゃいでいる。
「変な会話はやめてくれないか」
真宮さんを見ると、呆れた顔をして立っていた。
「だって~ 琉聖がマンションに呼ぶ彼女は柚葉ちゃんが初めてなんですもの 興味深くなるのも無理はないでしょう?」
こんな場面に母親が出くわしたら、普通引くか、怒ると思っていたのになんだか拍子抜けしてしまった。
お、思い出せない……。
それでも、真宮さんの元カノの顔を思い出し、やっぱり酷いな……なんて思っていると、ドアの向こうがにわかに騒がしくなった。
少し開いたドアの隙間から女性の声が聞こえてくる。
「――琉聖、出てくるのが遅いわよ!」
真宮さんを責める声がドンドン大きくなってくる。
……もしかして、また彼女?
また女性がらみなのかと、私の心臓が暴れ始めた。
「朝っぱらから何の用なんだ?」
真宮さんの冷たく不機嫌な声。恋人に言うようには聞こえない。
「ちょっとねっ」
「勘弁してくれ、帰ってくれないか お、おいっ!寝室は!」
えっ!?来ちゃう?どうしよう!
ベッドの向こう側に隠れようかと立ち上がった時、寝室のドアが開けられた。
「っ!あ、あの……」
私はベッドの上に立ったまま動けなかった。
「あら~ 可愛い子じゃない! 琉聖 あなたにしては珍しいタイプだけど」
よくわからないけれど、女性は私を見て嬉しそうに近づいてくる。
「あ、あの……」
真宮さんの彼女?それにしては笑っているし……あ、瞳が同じ色……。
「お袋、彼女が驚いている」
私はバカみたいな顔で、良く似た瞳を持つふたりを見比べた。
お、お袋……お母さんだったなんて、彼女よりもよくない気がする。
だけど真宮さんのお母様は私を見て更に笑みを深めている。
「ごめんなさいね?急に現れて 琉聖がここに女性を連れ込んだ――」
「お袋!」
大きな声でさえぎった真宮さんは片手を額に置いてため息を吐いている。
「こ、こちらこそ すみません 下山 柚葉と申します」
その場に座ると、ベッドの上で指を付いて頭を下げていた。
「私は琉聖の母よ 貴子さんって呼んでね? そう呼ばれるのが夢だったの ほら、呼んで?」
にっこり私に笑いかける。
「た、貴子さん……」
勢いに押されて言葉にする。
「そうよ~ 素敵だわっ!」
貴子さんは嬉しそうに子供のようにはしゃいでいる。
「変な会話はやめてくれないか」
真宮さんを見ると、呆れた顔をして立っていた。
「だって~ 琉聖がマンションに呼ぶ彼女は柚葉ちゃんが初めてなんですもの 興味深くなるのも無理はないでしょう?」
こんな場面に母親が出くわしたら、普通引くか、怒ると思っていたのになんだか拍子抜けしてしまった。