契約妻ですが、とろとろに愛されてます
琉聖さんの言う通りに、マンションのコンシェルジェに必要なものを頼むと快く引き受けてくれた。


このマンションが至れり尽くせりのマンションだということを改めて認識する。


「さて、何をしようかな……」


琉聖さんが帰って来るまでまだまだたっぷり時間がある。入院していた時は、眠るか雑誌を見るか出来なかったけれど、今は部屋にいれば自由だ。


「早く仕事したいな……」


琉聖さんは私が働くことに賛成なのかな……?一日中ここにいたら退屈……。


ソファに座ってそんなことを考えていると眠気を覚えた。病院に行って思ったより疲れてしまっていたみたい。


******


ブルッと震えて目が覚めた。


「……寝ちゃったんだ」


棚に置いてある時計を見ると三時過ぎ。


お昼も食べないで眠っちゃったなんて、思ったより体力が無くなっているみたい……。


「冬に近づいているんだね……寒い」


カーディガンを羽織った所へ、インターホンが鳴った。出るとコンシェルジェが頼んだ物を持って立っていた。いつもエントランスで挨拶してくれる年配の男性だった。


「これで良いかと思いますが、またご入り用であればいつでも言って下さい」


「ありがとうございます 助かります」


私はお礼を言って荷物を受け取ると、男性はきびきびとした動きで帰って行った。

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