契約妻ですが、とろとろに愛されてます

退屈

数日が経ち、相変わらず琉聖さんに外出を禁止されて退屈だった。


意地悪で外出禁止をされているわけではない。私の身体を考えてのことだと良くわかっている。けれど、毎日の退屈しのぎはテレビか、パソコンでやるゲームになる。そんな私に琉聖さんは今日の夕食に麻奈と修二さんを呼んでくれた。


食事は琉聖の意見でホテルに頼むことになった。私が料理をすると言ったけれど、身体に負担がかかるのはだめだと言われた。私の身体を考えての言葉だから、素直に頷くしかない。


六時近くになって、仕事を終えた麻奈が先に現れた。私とふたりっきりで話をしようと、就業時間が終わると急いで来てくれたみたい。


スリッパを出して麻奈をリビングルームへ招き入れる。


「しかし……すごいマンションだね~ さすが真宮の御曹司」


麻奈が物珍しいように、うろうろとインテリアを見て歩いている。


「キッチンも最新式だし、マンションなのにこの広さっ、いったいいくらするのよ~ 庶民には考えられないわ!」


私は前もって用意しておいた紅茶のセットをキッチンから運んだ。


「麻奈、座って」


麻奈はテーブルの上に和紙に包まれた箱を置いた。


「はい、お土産 柚葉の好きなあんみつだよ?」


「ありがとう!冷やして後で食べようね」


私は箱を手にすると、キッチンに行き冷蔵庫の中に入れた。
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