契約妻ですが、とろとろに愛されてます
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麻奈と修二さんが帰り、テーブルの上のカップやお皿を片付けようとすると、後ろから腕が回った。


「やっと二人きりになれた」


私は四人で楽しかったけれど、琉聖さんはそうではなかったみたい。


「琉聖さんはつまらなかった?」


「いや そういうことじゃないんだ 早くゆずを抱きしめたかった」


「……もうっ……」


きらめく瞳と目が合って、私は視線を逸らした。


「ゆず」


甘い雰囲気に私は恥ずかしさのあまり一歩下がると背中が白い壁に当たる。琉聖さんは口元に笑みを浮かべながら、両腕を私の頭を囲むようにして壁に付けられて身動きが出来なくなった。

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