契約妻ですが、とろとろに愛されてます
琉聖Side


リビングルームへ戻った俺は玲子にソファを勧めた。


「ちょっと様子を見たほうが良いわ」


異常に嫌がる入院。このまま入院させても精神的に弱くなっていて治療がうまく行かない。


「入院させなくて大丈夫なのか?」


「とりあえず熱が下がれば……でも……何とも今の段階では言えないわ 琉聖さん、これだけはわかって……酷くなれば骨髄移植も考えないといけなくなると」


「骨髄移植?そこまで悪くなるとでもいうのか?」


ドナーを見つけるのは至難の業だ。


「今はまだ必要ないけれど、急に病状が変わることもあるの とにかく……柚葉さんにそのことを話して、ここで療養しなくてはいけないとわからせないと」


柚葉は籠の鳥のように大人しくしていると言うのに……。


「わかった」


玲子が帰って寝室へ戻ると柚葉は静かに眠っていた。呼吸が楽になったようで安堵した。


しばらく側で見守っていたが、桜木の電話で俺は書斎へ行き仕事を始めた。

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