契約妻ですが、とろとろに愛されてます

笑顔

琉聖Side


翌朝、柚葉の熱は下がった。心配で夜中に何度も熱を確かめた。明け方くらいから平熱に下がり安堵した。


俺の手が冷たかったのか、柚葉の瞼がパチッと開いた。


「琉聖さん……」


目が覚めると俺の瞳と目が合って柚葉ははにかんだ笑顔を浮かべた。


「気分は?」


柚葉は小さく首を振った。


昨日の玲子の注射が効いたのだろう。


「熱が下がったからと言って安心は出来ない。大人しく寝ているんだよ」


俺の言葉に大人しく頷く柚葉にフッと微笑んだ。


「君は俺から逃げていきそうだな……今日……籍を入れてしまおうか」


柚葉の頬が赤く染まる。


「琉聖さん……」


籍を入れてしまえば柚葉が別れたいなどと言えなくなる。自分を想って別れたいと言う柚葉がもどかしい。


「いいか?」


「嫌です……」


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