契約妻ですが、とろとろに愛されてます
******


琉聖さんはなるべく一緒に居てくれようとしてくれた。それに退屈な生活を送る私を気にしてお姉ちゃんや慎、麻奈や貴子さんを招いてくれる。


そんな生活が二週間ほど経つと琉聖さんの帰りが遅くなった。新しいプロジェクトが起ち上げられ、軌道に乗るまでは琉聖さんが統括して推進していかなければならない。


料理や洗濯等をしてくれる佳代子さんと言う女性が通いで来てくれている。佳代子さんは琉聖さんの実家のお手伝いさんで五〇代後半の優しい人だ。貴子さんが心配してよこしてくれたのだ。


佳代子さんの仕事時間は九時から五時まで。優しい佳代子さんに私はすぐに母のように慕い始めた。母と雰囲気が似ている気がする。早くに亡くなってしまったので、佳代子さんと話が出来るのが楽しい。


「今日も琉聖様は遅いのですか?」


私はほとんどの時間をリビングルームのソファで過ごしていた。


最近、琉聖さんの夕食が残っているので、食べていないと知られてしまっている。


「そうみたいです……お仕事忙しそう」


「おひとりで大丈夫でございますか?」


もうすぐ佳代子さんの帰る時間になり、心配そうに聞かれる。


< 198 / 307 >

この作品をシェア

pagetop