契約妻ですが、とろとろに愛されてます
病院の近くのパティスリーで実家への手土産を買い、タクシーで向かった。


家に着くとまだお姉ちゃんは帰っておらず、私はリビングのコタツに入りテレビを見ながら待っていた。


しばらくすると、玄関が開く音がしてバタバタとした足音が近づいてくる。


「ゆず!ただいま」


お姉ちゃんが嬉しそうにニコニコしながら居間に顔を見せた。


「お帰りなさい」


「着たばっかり?」


コートを脱ぎながら聞いてくる。


「一時間ぐらい前かな」


お姉ちゃんが居間に入ると、冷気も一緒に連れ込んできたみたい。


寒そうにコタツの中にお姉ちゃんは足を入れた。


琉聖さんのマンションにはコタツはない。管理された温度で寒いと思うことは無かった。でも実家は古い一軒家、風がどこからか入ってきて寒さを感じる。


コタツに入って、テレビを見ながらミカンを食べる。眠くなるとぬくぬくとうたた寝して……以前の好きなスタイルだった。

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