契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「夕飯、何食べたい？食材はあるから食べたいものを言って」


お姉ちゃんに聞かれて少し悩んだけれど、冬になると恋しくなる物が頭に浮かんだ。


「どうしようかな……あ！ラーメンがいい！天下堂のラーメンが食べたい」


安くて美味しいラーメン屋さんが家の近くにある。


ラーメンは最近食べていないな……そう言えば、琉聖さんがラーメンを食べるところを見たことが無い。琉聖さんとラーメン……想像つかない。そう考えるとクスッと笑ってしまった。


「いやだ、ゆずったら　愛する旦那様を思い出しているの？シングルを前にしていやあね」


「もう、違うよ……」


当たっているけれど、否定する。お姉ちゃんは本当に彼氏がいないのかな？綺麗だし、お料理は上手だし、いてもおかしくないんだけど……。


「慎が帰って来てからでもいいよ？」


「慎は今日、遅くなるって」


遅いのか……久しぶりに三人で話をしようと思っていたのに……。


「バイトを増やしたのよ　真宮さんに早くお金返そうと思っているみたい」


「そっか……」


１５００万を返すのは大変だよね。琉聖さんは返さなくていいと慎に言ったようだけど、慎はそれに甘んじることもなく頑張っている。そんな弟が誇らしく思える。


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