契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「身体の調子はどう?」


ラーメンが食べ終わり、薬を飲んでいるとお姉ちゃんが聞いてくる。


「良い感じだよ 眩暈もないし、もう良くなったかも」


「幸せすぎて病気も逃げていっちゃうんじゃない?」


「うん、そうだといいな」


早く病気が治り、普通の生活をするのが今の望み。


「もうすぐクリスマスね 琉聖さんと予定はあるの?」


「ううん まだ聞いていない……そうだ、もうすぐクリスマスだったね」


「プレゼントを用意しないとね?」


「そうよ!プレゼントっ、琉聖さんは何でも持っているから何が良いんだろう……」


「きっとゆずから貰うものはどんな物であれ喜んでくれるわよ」


私はプレゼントを頭に思い浮かべながら頷いた。


******


実家の自分の部屋で寝た朝、慎に起こされた。


「ゆず姉、まだ起きないの?もう九時だぜ」


慎が私の部屋をノックしてから入ってきた。


「ん……慎……おはよう」


「はよ、美紀姉はもう仕事に出かけたぞ?」


「うん、早番だって昨日言っていたから知ってる」


私はお布団の中で伸びをして起き上がった。


大丈夫、眩暈はない。毎朝、身体を起こす時はドキドキする。今、体調は良いけれど、少しの体調の変化も見落とさないでと玲子先生から言われているせい。


慎の作ってくれたチーズトーストを食べていると携帯電話が鳴った。これから琉聖さんが迎えに来てくれる電話だった。


携帯電話をテーブルに置くと、目の前にいた慎が顔をニヤつかせている。


「な、なに?慎」


慎のにやけた顔を見て言う。


「いや~ 新婚さんは幸せそうだね?」


「羨ましいんだったら早く彼女見つければ?」


慎の冷やかしもなんのそので、さらっと聞き逃す。


「ゆず姉~ なんか余裕だな~」


慎は今日もアルバイトで、琉聖さんを待たずに先に家に出た。琉聖さんに会えずに行くのを残念がっていた。


就職を悩んでいるみたいで、ゆっくり相談をしたいようだった。


「就職かぁ……」


最近は良い大学を出ても就職難だから、可哀想だと思う。私はほぅ~っとため息を吐いた。

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