契約妻ですが、とろとろに愛されてます
バスルームへと続く寝室へと入ると、突然に目の前が真っ暗になり慌てて座り込む。


眩暈と共に動悸も激しくて、吐き気がこみ上げてくる。


どうして……?今日は二度、酷い眩暈を起こしている。


私は不安を覚えながら、眩暈が治まるまで目を閉じて座っていた。ここの所、調子が良かっただけにショックだ。


琉聖さんのオフィスでも眩暈がしたけど、あれは高所だからだと思ってた……。


眩暈が治まり、吐息を吐くとバスルームのドアを開けた。



急いで入ってお手伝いしないきゃ。


バスタブの中に身を沈め、自分の呑気さにあきれた。


琉聖さんが帰って来るまで寝ちゃうなんて……心配させちゃった。なんでもっと早く起きなかったんだろう。


バスルームを出ると、急いで部屋着に着替える。髪をドライヤーで乾かし終わった時、鼻にヌルッとしたモノが出る感覚に手が行く。


鼻血だった。


パウダールームの鏡に自分を映すと右の鼻から血が垂れてきている。慌てて側にあったティッシュを鼻にあてがう。


幸いすぐに鼻血は止まった。


良かった、すぐに止まって。これは病気のせいじゃない。のぼせただけだ。


血が付いたティッシュをトイレに流してキッチンに向かった。
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