契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「ご馳走様でした」


両手を合わせて琉聖さんと食べ物に感謝する。


食べ過ぎて、お腹がはち切れそう。


「そうだ、ゆず クリスマスイブは毎年、実家でパーティーを開いているんだ 今まで顔だけしか出していなかったが今年は君と必ず来てくれってお袋が」


「毎年クリスマスパーティーがあるの?」


「ああ 自宅で招待客は三十人ほどのパーティーだが」


「すごい……」


本当に私と育った環境が違うのだと改めて思い知らされる。


「ドレスアップしろよ 可愛い奥さん」


見つめてくる瞳は楽しそうに輝いている。


「は……い……」


数えてみたらクリスマスイブまであと一〇日しかなかった。


もうっ、毎年のことならもっと早く教えてくれれば良かったのに……。ドレスはたくさんあるから明日決めよう。


ふたりで後片付けをして琉聖さんはバスルームに行った。


琉聖さんがいなくなってソファに座った。座ったと言うよりは身を投げ出した感じだった。なんだか立っているのが辛かった。


身体がだるい。そうだ……薬飲まなきゃ。


少しして重い身体でキッチンに立つと、薬を水で流し込んだ。

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