契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「きゃっ」


「何もいらない もう眠ろう」


ベッドルームに運ぶとシーツの上に横たわらせる。俺も柚葉の横に滑り込むようにして横になる。


「おやすみ」


俺は柚葉の額にキスをした。


「額……だけ?」


なんて可愛いことを言うんだ……。


俺は唸るような息を吐いた。


「ゆず、我慢しているんだ、煽らないでくれないか?」


柚葉は言った言葉に気づき、真っ赤になっていた。


「ごめんなさい……」


謝る柚葉に笑って今度は期待通りに唇に唇を重ねた。


「おやすみ、ぐっすり眠れよ 奥さん」


「はい おやすみなさい 琉聖さん」


そう言って俺の身体に擦り寄ると、柚葉はあっという間に眠りに落ちた。



しばらく柚葉の寝顔を見ていたが、そっとベッドを抜け出して書斎に向かう。


時刻は十一時。俺にとってはまだ宵の口。


コンピューターのスイッチを入れて仕事を始めた。


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