契約妻ですが、とろとろに愛されてます
明日のクリスマスイブを前に編み物はあともう少しだった。残りの作業はパーツを繋げていけば良い。


今日のうちに仕上げておかなければ、明日のプレゼントに間に合わない。


ソファに座って夢中になって作業をしていく。


どのくらい時間が経っただろうか。


喉が渇いて立ち上がった。


キッチンに入り、冷蔵庫からミネラルウォーターを一本出してグラスに注ぐ。


グラスを持ってリビングに戻る途中、目の前がぐらっと揺れて咄嗟に壁に手を付くと、ずるずるとしゃがみこむ。


眩暈が無くなるのを目を瞑りじっと待つが、意識が飛んでしまいそうな感覚に陥る。


動悸が激しくなり私は静まるように胸を押さえた。


「っ……はぁ……はぁ」


しばらくその場にうずくまり動けなかった。


数分後、眩暈が治まると落としてしまったグラスを探すと、グラスはすぐ近くで転がっていた。


そこはびしょぬれになってしまったけれど、絨毯のおかげでグラスは割れずに済んだ。

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