契約妻ですが、とろとろに愛されてます
濡れた絨毯をタオルで拭いて水気をとると、ぐったりとソファに座る。
眩暈はいつものこと……。
「あともう少し……」
あと少しで琉聖さんのセーターが出来上がる。頑張ろう……。
作業をしようと籠から編んだパーツを手にした時、佳代子さんが作ってくれた夕食がダイニングテーブルの上に置かれたままなのに気づいた。琉聖さんが九時に戻らなければ先に食べようと思っていた。遅くに帰ってくる琉聖さんに心配をされてしまうからだ。
琉聖さんを思った時、ちょうど携帯電話が鳴った。
「もしもし……」
『ゆず、夕食は先に食べただろうね?』
「うん お先に頂きました」
また嘘を吐いてしまった……。調子はどう?気分は?眩暈は?そう聞く琉聖さんの言葉に最近嘘ばかり……。
『良かった 今日も遅くなるから 先に眠っていろよ』
「はい」
『ここのところ、すまない 明日の準備は終わったかい?』
「済みました 琉聖さん……気をつけて帰ってきてくださいね」
『ああ もちろん ゆず……愛してるよ おやすみ』
電話でいきなり「愛してるよ」と言われ、言葉に詰まってしまった私を電話の向こうの琉聖さんが可笑しそうに笑っている。
眩暈はいつものこと……。
「あともう少し……」
あと少しで琉聖さんのセーターが出来上がる。頑張ろう……。
作業をしようと籠から編んだパーツを手にした時、佳代子さんが作ってくれた夕食がダイニングテーブルの上に置かれたままなのに気づいた。琉聖さんが九時に戻らなければ先に食べようと思っていた。遅くに帰ってくる琉聖さんに心配をされてしまうからだ。
琉聖さんを思った時、ちょうど携帯電話が鳴った。
「もしもし……」
『ゆず、夕食は先に食べただろうね?』
「うん お先に頂きました」
また嘘を吐いてしまった……。調子はどう?気分は?眩暈は?そう聞く琉聖さんの言葉に最近嘘ばかり……。
『良かった 今日も遅くなるから 先に眠っていろよ』
「はい」
『ここのところ、すまない 明日の準備は終わったかい?』
「済みました 琉聖さん……気をつけて帰ってきてくださいね」
『ああ もちろん ゆず……愛してるよ おやすみ』
電話でいきなり「愛してるよ」と言われ、言葉に詰まってしまった私を電話の向こうの琉聖さんが可笑しそうに笑っている。