契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「とてもキレイです!……飾り付けは貴子さんが?」


「ええ、手伝ってもらったけれどね」


「来年はお手伝いしてもいいですか?」


こんなに大きなツリーを飾りつけたことはないけれど楽しそうだなと思った。


「柚葉ちゃんが?本当に?それは嬉しいわ」


そんな話をしていると義父様も現れて貴子さんの隣に立った。


ふたりが並ぶとお似合いのカップルで、私達もこんな風になれるのかなと考えてしまった。


私達はお客様が来るまで、シャンパンを飲みながら話をしていた。


「いいわね~ オーストラリア 今の時期は向こうは夏だから」


「はい 海外旅行は初めてなのですごく楽しみなんです」


オレンジジュースの入ったグラスを片手ににっこり笑みを浮かべた。


「私、寒いの苦手なのよね~ 一緒について行こうかしら」


貴子さんは笑いながら琉聖さんを見る。


「それだけは止めてくれないか お願いだから、新婚旅行の邪魔をしないでくれ」


琉聖さんがムッとした表情になり、冷たく答える。それを見て私は内心ハラハラだ。


「じょ~だんよ じょ~だん。そんな野暮じゃないわよ?柚葉ちゃんとは別で行くからいいわっ」


なんだ、冗談だったんだと、私は肩を撫で下ろした。


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