契約妻ですが、とろとろに愛されてます
真宮のクリスマスパーティーに驚きっぱなしだ。素敵なデザインのドレスで着飾った女性や、タキシードやスーツ姿の男性。


豪華な食事が用意され、クリスマスの雰囲気を楽しませる小さな楽師団も呼ばれていた。


しかもダンスをするって……どこかの貴族の舞踏会さながらに私は目を丸くさせてしまった。琉聖さんにダンスに誘われて、断ったけれど、教えてあげるからとフロアーに出てみた。


琉聖さんに教えられているうちに、足を動かすパターンがわかるようになって思いのほか、私はダンスを楽しんでいた。


気を張っているせいか、酷い眩暈は起こらなかった。


「何か飲もうか」


琉聖さんに腕を取られて、飲み物を配っているウェイターからシャンパンとジュースをもらう。


「おいで」


琉聖さんに誘われるままに付いて行くと、二階に上がろうとしていた。手を引かれてドレスの裾を踏まないようにゆっくり上がるけれど、どうして二階へ行くのだろうと気になって琉聖さんを呼び止める。


「琉聖さん?」


「疲れただろう?部屋で休もう」


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