契約妻ですが、とろとろに愛されてます
髪を梳く琉聖さんの手で私は目を覚ました。


「琉聖さ……ん……」


先ほどの気分の悪さからどのくらい経ったのかわからないけれど、吐き気は感じられなくなっていた。


良かった……。


「疲れていたんだな ぐっすり眠っていた」


「今……何時?」


「もう少しで昼だ」


「起こしてくれれば良かったのに……」


私は今日がクリスマスだと思い出して、身体を起こした。身体を起こしてみると怠さを感じた。この怠さは熱がある……。


「着替えてくるね」


私は自分の熱っぽさを琉聖さんに悟られないようウォークインクローゼットに向かった。



ドアを閉めて白いアンゴラの糸で編まれたワンピースを着る。髪に真っ赤なカチューシャ。


これでクリスマスらしい雰囲気になったかな……姿見の前に立ってみる。


青白い顔が私を見返していた。ぼんやりした目で、熱で瞳が潤んでいる気がする。これでは琉聖さんに体調が悪いことがばれてしまう。


寝室に戻ると、琉聖さんの姿はなくホッとする。急いでお化粧を施し、少しでもいつもの自分に近づけようとした。

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