契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「……柚葉を家に連れて帰ってもいいのか?」


『本当は良くないわ でも貴方なら看護師を雇える ここと変わらないケアが出来れば問題ないと思う……』


「わかった 悪いが看護師を当たってくれないか?給料は多く言ってくれてかまわない」


『そう言うと思って知り合いの看護師をリストアップしていたの』


「よろしく頼むよ」


柚葉の願いは叶えてやりたい。


早く適合者が見つかることを願う毎日だ。



その夜、俺が病室を訪れると柚葉は目を開けて天井を見つめていた。


考え事をしているらしく俺が入って来たことに気づかない。


「ゆず?」


俺の声に驚いて柚葉はドアの方を見た。


「大丈夫か?」


驚いてから微笑んだ柚葉を見て胸が熱くなった。


「うん うとうとしていたみたい」


俺が近くに来るまで柚葉は静かに目で追っていた。

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