契約妻ですが、とろとろに愛されてます
病院からメニューを渡されている佳代子さんは今まで私が食べていた病院食を見事に作ってくれる。


夕食を持ってきた看護師さんが私の前に設置したテーブルの上に置く。


食事の内容を見て思わず顔を顰めてしまう。


そんな私を見て、年配の看護師さんは元気付けるように微笑む。


「しっかり食べてくださいね」


そう言ってもここ二日ばかり私の食欲が落ちている。


温かい食事が食べられるだけいいのに。


このままでは早々に病院に戻らないといけなくなってしまう。


看護師さんが部屋を出て行くと、代わりに入って来たのは琉聖さんだった。


私服に着替えられている。


「お帰りなさい お疲れ様です」


入ってきた琉聖さんを見て微笑んだ。


「ゆず ただいま」

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