契約妻ですが、とろとろに愛されてます
豹変
数日が経ったある日、私は残業で遅くまでパソコンに向かっていた。
事務所には私の直属の上司、横瀬課長だけ。
今日は琉聖さんと食事をするはずだった。あの日以来、会うのは六日ぶりだったのに。残業になってしまって正直、がっがりする自分がいた。
夕方、就業時間間際、横瀬課長に書類ミスを指摘された。私のミスではなかったけれど、計算違いをしてしまった一年後輩はあいにく今日から3日間、有給休暇中。明日の朝には部長に提出しなくてはならない書類を、私が横瀬課長に直すように頼まれた。申し訳なさそうに頼まれて、琉聖さんに会いたい気持ちを抑えて引き受けた。
夕方、琉聖さんに電話をすると来客中で、桜木さんにメッセージを残してもらった。
声、聞きたかったな……本気にならない約束なのに……どんどん惹かれていってしまう。
書類の一枚目から確認作業をして残りは最後のページだけになった時、頭の上で横瀬課長の声がした。
「下山さん、すごいダイヤをくれる人と婚約したんだね」
「はい?」
突然何の話をするのかと、立っている横瀬課長を仰ぎ見る。
「俺、下山さんが好きだったんだよ」
いつもの優しい雰囲気の課長ではなく、ぎらぎらした目で私を見ている。
「えっ?」
私を好きだった?
既婚者の上司が突然何を言うのだろうとあっけにとられていると、いきなり腕を引っ張られて立ち上がらせられ乱暴に抱きついてくる。
その途端に、ぞくりと背筋に震えが走る。
「いや!何をするんですかっ!やめてください!」
課長の胸に両手を置き離れようとしたけれど、課長の手が私の後頭部に回り、頭を固定されしまう。
「やっ!!」
抵抗もむなしく唇が荒々しく重なる。激しくもがいても、ねっとりとした唇に吸われ更に身体を押し付けられる。男性の強い力にはかなわない。
事務所には私の直属の上司、横瀬課長だけ。
今日は琉聖さんと食事をするはずだった。あの日以来、会うのは六日ぶりだったのに。残業になってしまって正直、がっがりする自分がいた。
夕方、就業時間間際、横瀬課長に書類ミスを指摘された。私のミスではなかったけれど、計算違いをしてしまった一年後輩はあいにく今日から3日間、有給休暇中。明日の朝には部長に提出しなくてはならない書類を、私が横瀬課長に直すように頼まれた。申し訳なさそうに頼まれて、琉聖さんに会いたい気持ちを抑えて引き受けた。
夕方、琉聖さんに電話をすると来客中で、桜木さんにメッセージを残してもらった。
声、聞きたかったな……本気にならない約束なのに……どんどん惹かれていってしまう。
書類の一枚目から確認作業をして残りは最後のページだけになった時、頭の上で横瀬課長の声がした。
「下山さん、すごいダイヤをくれる人と婚約したんだね」
「はい?」
突然何の話をするのかと、立っている横瀬課長を仰ぎ見る。
「俺、下山さんが好きだったんだよ」
いつもの優しい雰囲気の課長ではなく、ぎらぎらした目で私を見ている。
「えっ?」
私を好きだった?
既婚者の上司が突然何を言うのだろうとあっけにとられていると、いきなり腕を引っ張られて立ち上がらせられ乱暴に抱きついてくる。
その途端に、ぞくりと背筋に震えが走る。
「いや!何をするんですかっ!やめてください!」
課長の胸に両手を置き離れようとしたけれど、課長の手が私の後頭部に回り、頭を固定されしまう。
「やっ!!」
抵抗もむなしく唇が荒々しく重なる。激しくもがいても、ねっとりとした唇に吸われ更に身体を押し付けられる。男性の強い力にはかなわない。