契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「琉聖(りゅうせい)様」
傘をさした三〇歳代と思われるスーツを着た男性が目の前に立っていた。
その男性から傘を差し出され、琉聖と呼ばれた男性は受け取る。
「丁度いい」
そう言って傘をさした彼は私の腕を掴むと車に向かった。
「ちょ、ちょっと離して下さいっ!」
驚いている間に、高級な革の匂いのする後部座席に私は座らされた。
「どうして?離して、降ろしてください!」
まだ掴まれたままの男性の腕を振りほどこうとする。
「安心していい どうするつもりもない ちょっと付き合ってもらえないか」
「嫌です!信用できません 降ろしてくださいっ」
このまま誘拐されてしまうのか、不安が大きくなり首を激しく振る。
彼を琉聖様と言った先ほどの男性が運転席に乗り込んだ。
「桜木、名刺を」
桜木と呼ばれた男性は、胸のポケットから名刺ケースを取り出しその中から一枚を私に渡す。
車の中の電灯が点けられ、名刺の文字が見やすくなった。
真宮 琉聖……真宮コーポレーションの副社長……真宮って言ったらうちの会社の親会社……修二さんの勤めている会社の副社長さん……?
「納得したか?」
「えっ?」
いつの間にか掴まれていた手は外されていた。
「濡れたままでは風邪を引く ちょっと付き合ってくれないか」
真宮さんは桜木さんに何かを伝えると、私が返事をする前に車は動き出した。
傘をさした三〇歳代と思われるスーツを着た男性が目の前に立っていた。
その男性から傘を差し出され、琉聖と呼ばれた男性は受け取る。
「丁度いい」
そう言って傘をさした彼は私の腕を掴むと車に向かった。
「ちょ、ちょっと離して下さいっ!」
驚いている間に、高級な革の匂いのする後部座席に私は座らされた。
「どうして?離して、降ろしてください!」
まだ掴まれたままの男性の腕を振りほどこうとする。
「安心していい どうするつもりもない ちょっと付き合ってもらえないか」
「嫌です!信用できません 降ろしてくださいっ」
このまま誘拐されてしまうのか、不安が大きくなり首を激しく振る。
彼を琉聖様と言った先ほどの男性が運転席に乗り込んだ。
「桜木、名刺を」
桜木と呼ばれた男性は、胸のポケットから名刺ケースを取り出しその中から一枚を私に渡す。
車の中の電灯が点けられ、名刺の文字が見やすくなった。
真宮 琉聖……真宮コーポレーションの副社長……真宮って言ったらうちの会社の親会社……修二さんの勤めている会社の副社長さん……?
「納得したか?」
「えっ?」
いつの間にか掴まれていた手は外されていた。
「濡れたままでは風邪を引く ちょっと付き合ってくれないか」
真宮さんは桜木さんに何かを伝えると、私が返事をする前に車は動き出した。