契約妻ですが、とろとろに愛されてます
食事を終えた私達は琉聖さんのマンションへ帰って来た。


「少し仕事が残っているんだ 先に風呂に入るといい」


琉聖さんは私にそう言うとそのまま書斎へ行ってしまった。



私はバスルームに向かった。数回使ったバスルームはいつもシャワーブースだけで、大きなバスタブに入ってみたいと思っていた。
大きなバスタブに顔がほころぶ。


ゆっくりお風呂に浸かり、ジャグジーの泡が勢いよく身体に当たり、気持ちが良くて思わず寝てしまいそうになる。手と足が思いっきり伸ばせるバスタブなんて贅沢だよね。


琉聖さんが以前買ってくれた白のサテンのナイトドレスを着てみる。まるで外国映画のヒロインが着るようなナイトドレス。身に着けてみるとブラジャーをしていない胸は心許ない。いつもTシャツにショートパンツで寝ているから、長い裾が寝ているうちに捲れ上がってしまわないか心配になる。


こういうナイトドレスは自分にはまだ似合わないなと思ってしまう。


菜々美さんなら……大人でスタイルの良い菜々美さんを思い出してしまった。


思いを振り切るように頭を振った。


寝室を抜け、リビングルームへと行く。琉聖さんはリビングルームにはいなかった。


まだ書斎で仕事をしているみたい。


書斎のドアを静かにノックする。


「琉聖さん……?」

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