角砂糖
角砂糖



「ねーエリ」



昼休み時間の教室、私の席の前の椅子に座って体ごと後ろを向く少年ヨウ。




まだ少しのあどけなさを残した人懐っこい笑顔と、まだまだ発展途上の身長は、同年代の異性からモテるには十分な要素だった。



「なに、ヨウ」


それに引き換え私ときたら、愛想の欠片もないし、話す言葉と言えば淡々とした単語。
基本自分から人に話しかけたりしないタイプの人間だった。



「何じゃなくてーお昼一緒に食べよー」


「…なんで?」



ざわざわと騒がしい教室内だけど、そんな私とヨウの異色のカップルに少なからずみんな興味があるみたいで、所々から視線を感じた。




「なんでじゃないでしょーほら、一緒に屋上行くよ?」



そんな事にはお構い無しのヨウは私の手を引っ張ってスタスタと屋上へと歩き出す。





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