**吸血鬼と暴走族**[完]
玖遠は部屋の隅で膝を曲げ、膝を額に着くように座ると、゛の゛の字を書き始めた
……ウザイな………
「…冷音の字が新入生の中にあったからまさかと思ってみたら……。」
「おい、要件を言う。」
「………はぃ。」
玖遠は立ち上がり、座っていた椅子に座り直した
「金龍が此処に居るのは本当か?」
玖遠は目を見開いた
「(まさか、冷音…、金龍の奴らが気になってわざわざ……。)」
玖遠は嫉妬と悲しみの篭もった瞳を一度閉じ、開いて俺を見る
「どうしてだ?」
……どうして、か
そんなの決まっている……
「彼奴の、息子が見てみたいからだ。」
「!!!
(お前、もしかして、まだ彼奴のこと……。)」
フッ、本当にこいつは顔に出るな…
俺は近くにあったソファーに座り、足をくんだ
「要件は言った。
そいつは何処にいる。」
玖遠はハッとすると、自分の世界から戻ってくる
「…多分屋上じゃないか?
入学式には居なかったしな。」
玖遠は目を下に向けたまま言う
……屋上か……
弱ったな……
今は丁度、10時半位だし、日差しも凄いしな