**吸血鬼と暴走族**[完]
家族と暴走族
《狼夜side》
『お前は金龍の頂点に立ち、仲間を引っ張ると言う覚悟はあるのか?』
その言葉に俺は一瞬、戸惑いを感じた
その言葉は俺の、最初の覚悟を決めたときの大切な言葉
俺は母親が居ない
父さんからは、俺が産まれたときと同時に死んだと伝えられてた
だからか、俺は母親の温もりを知らない
俺の家は、組だから色んな個性がある人が大勢いる
その中に、俺と父さんを比べたりする人は1人もいなかった
父さんが組長だから、昔からよく家を留守にしてた
皆、俺が寂しがらないようにしてくれていたからあんまり、寂しくはなかった
でも、それでも、母親がどんな人だったのか知りたかった
俺が小3の時、組の奴らに聞いてみた
『俺の母親はどんな人だったのか。』
すると、皆痛みや苦しみを耐えるような表情(かお)をした
皆が口を揃えて
『すみません。』って答える
……何で謝るんだよっっ!!
俺はただ!母親を知りたいだけなのに……
そんな中、父さんの昔の友人であり、元金龍副総長だった達弥さんが家に来た
父さんは、元金龍総長だった
父さんは、神崎組の組長で、薬などをする族や組を潰してきた
俺はそんな父さんが格好良くて好きだった