**吸血鬼と暴走族**[完]
「……ごめん、なさい。」
父さんはハッと我に返り、口を手で覆った
「狼夜。父さんも悪かった。
少し休む。達弥。
俺の部屋に誰も入らないように言っといてくれ。」
「ぁあ。」
父さんは襖を閉じようとする
「狼夜。何時でも良い。
組の皆に謝っておけ。あと、これも何時でも良い。
母さんの事が知りたかったら、俺の部屋に来なさい。」
「……はい、父さん。」
父さんはそれだけ言うと、襖を閉めて、自分の部屋へ向かう
達弥さんは優しく俺の背中を撫でて、悪かったな。と謝った
……この時、俺は理解出来なかった
何故皆俺に謝るのか
母さんが生きてたら今、どんな生活を送っているのだろうか
俺はそう思うと、涙が止まらなかった
そして俺は父さんに言われたとおり、組の奴らに謝った
組の奴らの中に、母さんを思い出して泣いていた奴がいっぱい居たようだ
本当に父さんは俺の自慢だ
何時も、相手の事を見ていたり、考えたりする
母さんもそうだったのかな?
幼い俺は、そう考えた