**吸血鬼と暴走族**[完]
《狼夜side》
冷「うん。月夜。」
冷音は親父の名を優しく呼んだ
親父は愛おしそうな視線で冷音を見ているが、冷音は悲しそうに親父に視線をぶつける
っっっ!!!
っ何だよ!!
親父は母さんの事をまだ愛してるんじゃないのかよ!!!
俺は色んな気持ちが混ざる中、見ていられなくなり、冷音と親父の間に入った
狼「……どうしたんだ?親父。
いきなり倉庫に来るなんて事、一度も無かっただろ。」
親父は冷音から視線を離し、俺を見る
月「あぁ。仕事が速く終わったからな、皆に入学祝いの言葉を言いに来たんだ。
皆、入学おめでとう。
これからも、狼夜を宜しく頼むな。」
……今の俺は、親父を見る度に胸が痛んだ
冷「…………悪い。帰る。」
冷音は俯いたまま部屋を出て行く
……おれって最低だな
早く冷音と親父を離したいなんて思った
でも、この気持ちを抑えることが出来なかった……
月「……冷音ちゃんを車で送ってくる。」
狼「!!!」
俺は親父を止めようとしたが出来なかった
だってさ、こんな悲しそうな表情をする親父を見るのは初めてなんだ……
後悔と苦しみに満ちた目
俺はそこに固まって、冷音を追いかける親父の背中を見ることしか出来なかった
《狼夜side》 END