**吸血鬼と暴走族**[完]
《冷音side》
俺は部屋を出ると下に行き、幹部たちに軽く挨拶をして、倉庫を後にした
「冷音!!!」
!!!!!
懐かしい声が聞こえて吃驚しつつ、後ろを振り向く
そこには、肩で荒く呼吸をする月夜の姿がある
……どうして……
月「……すぐそこに車があるから、家まで送る。」
……そんな真っ直ぐな瞳で見られたら、断れるわけ無いじゃん……
俺は小さく頷き、月夜の後に続く
倉庫より少し遠く、俺がいた場所に近い人気のない駐車場に一台の黒染めのポルシェに乗った
運転席には組の人がいて、俺の姿を見ると、目を見開き驚いていた
月「出してくれ。」
月夜が一言言うと、車が動き始めた
……場所は俺を見て分かったんだろうな
そんな事を小さく考えていると、前に座っていた月夜が俺の腕を力強く引っ張った
!!!
俺はその衝撃で、月夜の腕の中で抱かれている姿になった
月「っずっと、会いたかった!!
抱きしめたかった!!
……今もまだ、お前の事、愛してるっっっ!!!」
抱きしめる力がミシミシと強くなっていく
まるで、俺を逃がさないようにするみたいに………
冷「っっ!!!
………ありがとう、月夜。
ずっと…、狼夜を護ってくれて。
約束を守ってくれて。
私も、月夜を、貴方を愛している。」
……抱きしめあう2人の頬には冷たくて、暖かい涙がつたっていった