**吸血鬼と暴走族**[完]
今まで走っていた車が止まり、それに合わせて私たちの長いキスは終わった
「……組長。着きました。」
運転していた人、紅蓮(グレン)は車からでて、ドアを開けてくれた
冷「ありがとう、紅蓮。」
紅「!!!
……ぃぇ、お帰りなさい。
姉さん。」
……やっぱ何回言われても慣れないなぁ
冷「昔みたいに、冷音って呼んでよ。」
私は紅蓮に微笑んだ
すると、紅蓮の細い瞳から涙が零れ落ちる
紅「……はい、冷音さん!!
本当にっっ、お帰りなさい!!!
ずっと待ってました!!!」
紅蓮は涙を流しながら、笑顔で迎えてくれた
するといきなり、背中から誰かが強く、でも優しく抱きついてきた
紅「しっ、失礼します!!」
紅蓮はそう言うと車の中に戻り、車を置きに行った
冷「……月夜。そんな格好で中に入るの?」
私が呆れながら聞くと、月夜は小さく頷いた
………そう、私たちが立っているところは
神崎組の家の前
月夜、狼夜の家であり、私の唯一の居場所
冷「………帰ってきたんだ。」
月「………ぁあ。俺はずっと待ってた……。
16年間、お前が居ない日々が一秒でも長く感じた
苦しかった。
16年間は長すぎた……。」