**吸血鬼と暴走族**[完]
--涙がピタリと止むと、我は立ち上がり、その場を去った
散歩がてら少し歩くと湖があった
湖は月の光で照らされ、光っていた
凄い………
冷・?「綺麗。」
!!!!!
横をバッと見ると、学ランを着た18歳位の青年が立っていた
青年と我の目が合う
青年の茶色い髪が、月明かりでキラキラと光を放つ姿が、とても、綺麗だと思った
……暫く無言の間が続いた
青年はボーッと我の姿を見つめる
冷「……何だ?」
青年は肩を揺らし、目を見開く
すると、冷静な表情になり、口を開く
「……お前、誰だ?」
冷「人に名乗らせる前に自分から名乗るのが、礼儀ではないのか?」
我は1つ溜め息を吐くと、湖に近づく
月「俺の名前は月夜(ツキヤ)だ。お前の名前を教えろ。」
月夜は我から視線を離さず、我の行動を見つめ続ける
我は湖に近い草原に腰を下ろして、頭だけを振り向かせ、月夜を見る
そして、薄く微笑む
冷「……冷音だ。」