ヤンキーガール×ヤンキーボーイ
いきなり右からストレートパンチ。
それを止めて思いっきりひねる。
「うぉぉっ」
痛そうに顔をゆがめるそいつの下腹を蹴りながら手をはなすと矢倉翔は3メートルほど後ろに飛んだ。
「ぅぐっ……はっはえぇ……ハァ、」
矢倉翔はうめきながらツバをはいた。
正直あんまり血みたくないから血を吐かせない程度にいきたいなー、なんて、余裕ぶっこいて考えてみる。
ふと俊介のほうをむくと顔面蒼白で矢倉翔を見ていた。
矢倉翔がよほど心配らしい。
はやく終わらせたいな。
あたしは矢倉翔が立ち上がるのを待って近づく。
そして……
パンッ!!
「う゛ぉぉっ!!!」
矢倉翔がゆっくり……膝をついた。
そして震える声でつぶやいた。
「負……けました……」
「勝者山川夏樹!!」
「……ありがとうございました」
とりあえずルールなので矢倉翔に礼をしてから近づく。
「あんた大丈夫?」