ヤンキーガール×ヤンキーボーイ



「特攻隊長の篠崎連夜だ!!




ちゃんと覚えとけよブースッ!」






「あー、はいはい。」






もうこいつヤだ。






よろしくしたくない。






「副総長の成田亮平です。」






「……うん。」







こいつはもっとあたしによろしくしたくないだろう。





視線があわないし。






最後は、



「総長の滝沢龍……だ。」







「龍、よろしくね。



あたしは新庄夏希……あと、」







ちょっと咳払いする。






そして……






「山川夏樹だ。



男のときはこの声でいく。」







あたしがいつもの低い声で言うと、はじめて間近できいたこいつらは龍以外、目を見開いた。







「すっげーっ!




昨日から思ってたんだけど、なっちゃん、どうやってその声だしてるの?」






「腹のそこからこう、絞り出すみたいに?」








「すっげー!」







「ちょ、やめてよ……」







巧にそんな純粋に誉められちゃうとこんな下らないことなのに喜んじゃうじゃないか。
< 138 / 286 >

この作品をシェア

pagetop