ヤンキーガール×ヤンキーボーイ
「あたしはー、ただ人探してただけだけど」


とりあえず正直に言う。




「人探して扉破るか?お前マジでバカだろ?」



……サルうっぜえぇ、なんで初対面の男にバカ呼ばわりされてんだあたし?




言い返そうと口を開いた時、




「誰を探してんだ?」



また声がした。






そいつは、すっごく……なんというか……女……っぽかった。






少し下がった目じり。





大きなくりっくりの瞳。





愛嬌のある丸顔。





アッシュカラーの髪。





顔から声から、女っぽすぎて……こいつきっとたくさん間違われてきたな。





下手したら女子とか……柴犬に?





……柴犬!



我ながら良い例え!



あ……こいつももしかして?




え、こんな女顔のチビが?



一瞬戸惑ったあたしは、挑発してみることにした。



「飛龍ってゆー暴走族。意外に無名だから知らないかも」




「「「それは俺らだ。」」」



ハモられた。



「ああ、あんたらだったんだ。」




ショックが声に出てないか心配だ。
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