ヤンキーガール×ヤンキーボーイ
まぁでも確かに……久しぶりに授業を受けてみたい。
たぶんもう内容は分かるけど。
分かるけど先生に「どなたですか」とか聞かれたら多分あたしでも泣くしな。
「じゃあ行く。」
「どこの学校いくんだ?」
「は?桜院でしょ?」
「どこだ?それ」
「あんたの学校でしょ?
ゴメンいま冗談つきあえる気分じゃないんだよね」
あたしが龍の背中を小さくたたくと、龍は首をかしげてこう呟いた。
「おーいん……?
俺の学校……?」
……ウソでしょ?
「ねぇ龍それマジで言ってんの?」
あたしがおそるおそる尋ねると、龍は振り替えって真顔のまま言った。
「冗談。」
……は。
「もう意味わかんないから!
はやくバイク動かせ!!」
あたしがそう言ってバンバンと金属のところを蹴ると、龍がクスクス笑った。
「戻ったな」
「は?」
「さっきまで死にそうな顔してたから」
あたし、死にそうな顔、してたんだ……。
龍に気遣われちゃった。
借りつくっちゃったな。
「……ありがと」
そういうと、龍はあたしのカツラをとってクシャッと頭を撫でてきた。
「今日は家帰れ。」
いつもより優しい目をした龍のそんな勧めを断るはずがなく。
「うん、帰る。」
あたしは家に帰った。