ヤンキーガール×ヤンキーボーイ
ーーーピンポーン
待っていたチャイムが鳴ったのは、それから30分ほどした時だった。
……やっと来たか。
あたしは拳を握りしめて玄関に向かった。
ガチャ、と扉を開ける。
そして、
ガアアアアンッッ!!!!!!
「「うぉっ?!」」
「「「?!」」」
吹き飛べずにすさまじい速さで地面にぶつかった二人を真っ直ぐ見下ろす。
「サル、タラシ、てめーらいっぺん死ね」
「な、なっちゃん、落ち着いてっ!」
「あれ?巧。」
「あれって……」
困った顔の巧の隣で、ため息をはく亮平。
あれ、亮平?
そして、その隣には龍も。
……全員おそろいで。
しかもよく見たら、みんな服に血の跡がある。
あたしほっぽって喧嘩なんてしてたんか……こいつら。
その時、ガンッ!と連夜が壁を殴った。
「おめーっ!いきなりなんなんだよ!おい!三途の川みたぞおい!
五歳の時死んだ大おばちゃんがニコニコ手ぇふってたぞおい!」
「知るか!」
あたしは扉を蹴って部屋に入っていった。
「レンと詩音、なっちゃんになにしたんだよ」
「いや、多分あれは見たんだなー」
「なにをですか?」
「「さぁ?」」
「「「……はぁ」」」
後ろでそんな会話があったとも知らずに。