ヤンキーガール×ヤンキーボーイ
飛龍ってこういう族なんだ。
今さら悟った。
すると龍が壇に登ってきた。
狭い壇上で二人になった。
「俺は飛龍・総長の名において、山川夏樹の入族を許可した。」
「「「うぉぉぉぉぉっ!!!」」」
倉庫が歓声を上げた。
嬉しい。
あたしのためにこんな何百人の人が集まって喜んでくれてる。
……自然と笑顔になった。
「夏樹、みんなに向かって何か言え。」
……また場がシンとした。
だけどあたしはなぜかもう緊張しなかった。
「みんな、今日は集まってくれてありがとう!
俺は、高1の山川夏樹だ!
俺は今日から旗のために全身全霊をかけて信念を貫く!
実は俺、バイク術も喧嘩術も自信あるんだ。
ただみんなの前で話すのがちょっと苦手でよ。」
ここで言葉をきると、苦笑だったり「はっはっはっ」って笑いだったりが返ってきた。
「これからよろしくしてほしい。」
最後に頭を下げると、みんなが一斉にまた「「「うおぉぉぉぉっ!」」」と歓声をあげた。
中には「「「飛龍へようこそ!」」」って声もあって、どうしようもなく嬉しかった。
別に入りたくて入ったわけじゃない飛龍。
龍たちだってしょうがなくあたしを入れただけ。
だけど仲間入りしたんだ、っていう気持ちが、モクモクわいてきた。