ヤンキーガール×ヤンキーボーイ
「そういうの言っちゃ良くないよ、なっちゃん」
巧が眉毛をハの字にしてあたしの袖をつかんだ。
「あたしはこれから先やってけるか心配になっただけ」
あたしがそう言うと、蓮夜と詩音はやっとこっちをむいた。
二人とも怒ってるような目して、笑ってる。
「さっきからてめぇ言ってくれるなぁ?おい!」
「夏希ちゃん、俺らこのポジションで歴2年やってきてんだ。
いわゆる大ベテランってやつ?
だから心配すんな、俺がいるからさ★」
「待て、2年ってどういうことだおい。」
聞き捨ててならないセリフはいたぞこいつ。
龍を見ると、フッと視線をそらされた。
と思いきやそいつは呟く。
「……去年も全員留年した」
「おいぃウソだろぉぉぉ?!」
しかも去年「も」って!!「も」って!!
もはや高校生何年やってんのかさえ定かじゃなくなってきたぞおい。
お前ら実は全員二十歳的なノリじゃないよなっ?!
さ、さすがにないよなっ?!
目をひんむいて軽く失神しかけるあたしを巧が苦笑いしながらささえてくれた。
「俺たちな、次世代を担うやつが現れるまで待ってんだ」
「……、」
「あ?」
「……て、る。」
「夏希ちゃん?」
「あたしがっ飛龍を全国ナンバー2に育ててやるっっっ!!!!!」