オズと霧の浸食過程


結局、オズが砕けた柵の木片とゴミと使いものにならない野菜を片づけるだけでも正午までかかってしまった。




野菜は、種の採れるものは採っておき、あとはせめて鳥たちが食べてくれることを願って森の入り口に固めて置いておいた。



やっとのことで一段落し、昼食をとるために家の中へと戻ってきたときにはオズのワンピースは元が何色かも分からぬほど土色に染まり汚れていた。



丁寧に足の裏を洗い流して、ペタペタと裸足のままキッチンへ向かう。


いつもなら朝のうちにパンケーキを焼いてバスケットにつめておくのだが、今日はそういうわけにもいかなかった。




くたくたの体に鞭打って、キッチンに立つ。




フライパンの上でじっくり焼かれるパンケーキに視線を落として、オズは思った。




(本当なら、ここに、今朝とれたイチゴのジャムがつくはずだったのに)



眼鏡のレンズの奥に光る瞳が、寂しそうにジイと細められた。
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