オズと霧の浸食過程
セブンスダヴリュの村、大通り。
大通りと呼ばれてはいるものの、
道沿いに食料品店が一軒、
雑貨店が一軒、
衣料品店が一軒、
たった三軒の寂れた店が開いている他、通りの真ん中に石造りの噴水と井戸があるだけだ。
しかし崖と、深い森と、毒の霧に囲まれているせいで、他の村との交流が経たれているセブンスダヴリュの村にとって一番華やかなところといえばこの大通りの他なかった。
井戸を囲い談笑する婦人たち。
大通りを走り回る子どもたち。
農作業が一段落し、休憩がてら噴水を囲っている石のベンチに座る農夫たち。
セブンスダヴリュの朝は早い。
セブンスダヴリュの男たちは早朝から遅くまで農作業に勤しみ、悪条件な環境の中わずかにとれる作物を村中に供給する。
女たちは羊を育て、蚕を剥き、衣料品と料理を作り、子どもの世話をする。
子どもたちは掃除や郵便などの簡単な仕事を手伝ってから遊びに出かける。
そして、昼休みどきになれば自然とこうして村人が大通りへと集まってくる。
(一度、毒の霧の侵食がこの大通りまで広がったとき、その規則正しい生活は崩壊したが)
住人は土地柄、決して贅沢とはいえない細々とした生活を送っていた。
これが、セブンスダヴリュの村の日常だ。