異国で咲く花
繋がれた魂
退治屋のメンバーは仕事の内容で出勤時間もバラバラである。
体術主体のメンバーは夜を避けて明るくなってから退治を始める。
しかし、敵が魔物や悪霊の場合は明るいときの活動はないため、どうしても夜の退治となる。
「あの・・・朔良さん。朔良さんは夜もずっとここでお仕事をされているんですか?」
「ずっとってわけでもないけど、夜だって経費を出すことが多いのよね。
しかも、相手が相手で特殊でしょ。
だから報酬もけっこうなものなのよ。」
「あ、あの朔良さんっていつもそういう女性的な言葉遣いをされているんですか?」
「あ、ああ。こっちの方が何かと楽でね。
静歌だって似たようなもんでしょ。
まぁ私たちは見た目だってほら、いかつくないから。
退治も美しさを優先してるかしらね~」
「は、はぁ。」
「あ、ところで今夜予定ある?」
「べつにないです。こちらに知り合いもいませんし。」
「じゃあ1つ頼まれてくれないかしら。
これ、聖智に頼まれていたお札なんだけど、あいつ予定外の除霊仕事を引き受けちゃって、悪霊退治のお札を持って行ってないのよ。
ここからバスで20分くらいの隣町のお寺までいってほしいの。」
「わかりました。夕飯早めにすませて行ってきます。」
いちこは朔良から預かったお札を抱えて、予定時刻のバスに乗り込んだ。
バスは隣町のお寺の参道が終点となっていた。
いちこがお寺の境内に入る前にはあたりは真っ暗になっていて、正直薄気味悪い状況だった。
「高岳寺・・・。あ、ここだわ。ペンライト持ってきてよかった。
あれ?何かしら、人が集まってる・・・!」
いちこは人が集まっている方へと足を向けた。
「何の集まりですか?」
「今夜はいいお供え物が手に入ったお祝いなのですよ。ふふふふ」
「えっ!?」
気がつくと、集まっていた人たちはいちこを取り囲み蒼白く光っている。
(この人たちは・・・おかしい。いえ、人じゃないわ。)
「きゃああああ!!!」
訳も分からず足の動く限り、ひたすら走ったいちこだったが、まわりの景色が一向に変わらなかった。
「やだ、もう疲れてきた・・・走れないよ・・・。だめ・・・誰か。」
ボワーーーン!
「こらっ、なんでもっと早く愛してるって言わねえんだ!」
「そんなこと言う余裕なんてなかったわよ!
この状況でどうして、そんなこと言えるのよ。」
「あ~もううるせぇ、わかったから俺の後ろに隠れてろ。
こんなやつら粉砕してやる。」
リズナータが長い爪で蒼白い人々をどんどん引き裂いていったが、ボッと一瞬炎が上がるだけで、どんどん再生されていちこの方へと向かってきた。
「何やってんのよ、どんどん復活してきちゃってるじゃない!」
「くそぉ!こいつら、たちの悪い霊たちだ。
一気に高熱で焼き尽くせば復活もままならないと思うが・・・。」
「じゃあ早くやっつけてよ。」
「それが・・・ここで燃やすと、おまえまで燃えカスになってしまう。
く、くそっ。どうすれば・・・。」
「もう、じゃあ私が離れればいいのね。」
「おい、俺から離れるんじゃない!」
「きゃあ!!」
いちこはリズナータから5mほど離れたところで、足をとられて動けなくなってしまった。
「うそっ・・・動けない。」
「バカッ、あいつらの張った結界だ。くっ・・・この距離じゃ、やっぱり燃やせない。
なんとか爪で蹴散らして、いちこを取り戻さなきゃ。
あとは逃げるしかないか。」
2人がそうやって動けずにいたときだった。
「氷刃粉砕っ!」
パキーーーーン!!!!
いちこの足が動くようになり、いちこは前につんのめって転びそうになった。
「おっと、間に合ってよかった。
おつかいの品を出してください。」
「聖智さん!これです。」
「よし、これで倒せる。いちこは私から離れないようにしてください。」
「はい。」
「リズナータ、そのまま悪い霊をひきつけておいてください。
とびかかってきたのは爪でつぶしてかまいませんから。」
「わかった。」
2~3人の蒼白い塊がリズナータに向かってきたが、リズナータは爪ではじきとぼした。
「赤き炎、青き炎、冷たき刃は光となりて白き邪念を払いたまえ。
赤蒼光霊術!はぁーーーっ!」
バラバラバラ・・・・いちこが渡したお札が真っ白な大剣と変化し、赤と青の炎を発しながら霊たちを斬り倒していった。
斬られた悪霊たちは粉々になって、空へと昇っていった。
「ふぅ・・・。いちこお手柄です。ありがとうございます。」
「いえ、私の方こそ、聖智さんが来てくれなかったらどうなっていたか。
燃えカスになるの覚悟してリズに焼いてもらうしかなかったかも。」
「おい、いちこ。
俺がおまえを燃えカスになんかするわけがないだろうが。
そんなことしたら、俺だって・・・。」
「そ、そうだった・・・ね。
ごめんね、足をひっぱって。リズ。」
「バカ言え。じゃ、俺疲れたからもどるわ。
ここは気分が悪い。」
「ありがと、よく休んでね。」
体術主体のメンバーは夜を避けて明るくなってから退治を始める。
しかし、敵が魔物や悪霊の場合は明るいときの活動はないため、どうしても夜の退治となる。
「あの・・・朔良さん。朔良さんは夜もずっとここでお仕事をされているんですか?」
「ずっとってわけでもないけど、夜だって経費を出すことが多いのよね。
しかも、相手が相手で特殊でしょ。
だから報酬もけっこうなものなのよ。」
「あ、あの朔良さんっていつもそういう女性的な言葉遣いをされているんですか?」
「あ、ああ。こっちの方が何かと楽でね。
静歌だって似たようなもんでしょ。
まぁ私たちは見た目だってほら、いかつくないから。
退治も美しさを優先してるかしらね~」
「は、はぁ。」
「あ、ところで今夜予定ある?」
「べつにないです。こちらに知り合いもいませんし。」
「じゃあ1つ頼まれてくれないかしら。
これ、聖智に頼まれていたお札なんだけど、あいつ予定外の除霊仕事を引き受けちゃって、悪霊退治のお札を持って行ってないのよ。
ここからバスで20分くらいの隣町のお寺までいってほしいの。」
「わかりました。夕飯早めにすませて行ってきます。」
いちこは朔良から預かったお札を抱えて、予定時刻のバスに乗り込んだ。
バスは隣町のお寺の参道が終点となっていた。
いちこがお寺の境内に入る前にはあたりは真っ暗になっていて、正直薄気味悪い状況だった。
「高岳寺・・・。あ、ここだわ。ペンライト持ってきてよかった。
あれ?何かしら、人が集まってる・・・!」
いちこは人が集まっている方へと足を向けた。
「何の集まりですか?」
「今夜はいいお供え物が手に入ったお祝いなのですよ。ふふふふ」
「えっ!?」
気がつくと、集まっていた人たちはいちこを取り囲み蒼白く光っている。
(この人たちは・・・おかしい。いえ、人じゃないわ。)
「きゃああああ!!!」
訳も分からず足の動く限り、ひたすら走ったいちこだったが、まわりの景色が一向に変わらなかった。
「やだ、もう疲れてきた・・・走れないよ・・・。だめ・・・誰か。」
ボワーーーン!
「こらっ、なんでもっと早く愛してるって言わねえんだ!」
「そんなこと言う余裕なんてなかったわよ!
この状況でどうして、そんなこと言えるのよ。」
「あ~もううるせぇ、わかったから俺の後ろに隠れてろ。
こんなやつら粉砕してやる。」
リズナータが長い爪で蒼白い人々をどんどん引き裂いていったが、ボッと一瞬炎が上がるだけで、どんどん再生されていちこの方へと向かってきた。
「何やってんのよ、どんどん復活してきちゃってるじゃない!」
「くそぉ!こいつら、たちの悪い霊たちだ。
一気に高熱で焼き尽くせば復活もままならないと思うが・・・。」
「じゃあ早くやっつけてよ。」
「それが・・・ここで燃やすと、おまえまで燃えカスになってしまう。
く、くそっ。どうすれば・・・。」
「もう、じゃあ私が離れればいいのね。」
「おい、俺から離れるんじゃない!」
「きゃあ!!」
いちこはリズナータから5mほど離れたところで、足をとられて動けなくなってしまった。
「うそっ・・・動けない。」
「バカッ、あいつらの張った結界だ。くっ・・・この距離じゃ、やっぱり燃やせない。
なんとか爪で蹴散らして、いちこを取り戻さなきゃ。
あとは逃げるしかないか。」
2人がそうやって動けずにいたときだった。
「氷刃粉砕っ!」
パキーーーーン!!!!
いちこの足が動くようになり、いちこは前につんのめって転びそうになった。
「おっと、間に合ってよかった。
おつかいの品を出してください。」
「聖智さん!これです。」
「よし、これで倒せる。いちこは私から離れないようにしてください。」
「はい。」
「リズナータ、そのまま悪い霊をひきつけておいてください。
とびかかってきたのは爪でつぶしてかまいませんから。」
「わかった。」
2~3人の蒼白い塊がリズナータに向かってきたが、リズナータは爪ではじきとぼした。
「赤き炎、青き炎、冷たき刃は光となりて白き邪念を払いたまえ。
赤蒼光霊術!はぁーーーっ!」
バラバラバラ・・・・いちこが渡したお札が真っ白な大剣と変化し、赤と青の炎を発しながら霊たちを斬り倒していった。
斬られた悪霊たちは粉々になって、空へと昇っていった。
「ふぅ・・・。いちこお手柄です。ありがとうございます。」
「いえ、私の方こそ、聖智さんが来てくれなかったらどうなっていたか。
燃えカスになるの覚悟してリズに焼いてもらうしかなかったかも。」
「おい、いちこ。
俺がおまえを燃えカスになんかするわけがないだろうが。
そんなことしたら、俺だって・・・。」
「そ、そうだった・・・ね。
ごめんね、足をひっぱって。リズ。」
「バカ言え。じゃ、俺疲れたからもどるわ。
ここは気分が悪い。」
「ありがと、よく休んでね。」