異国で咲く花
気がつけば、蒜名の手から血が流れ、刀の欠片と思われる金属片が突き刺さっている。
「蒜名さん!!リズ、燃えきってないじゃない。
あの欠片を何とかして。このままじゃ蒜名さんが・・・生贄にされちゃう!」
「くそぉ!執念深い刀だ。蒜名そいつを地面にたたきつけろ!」
「くう・・・地面に・・・地面に。
ぬおーーーりゃあーーーー!!!」
蒜名が痛みに耐えながら金属片を地面にたたきつけたところをリズナータは土で動きを封じ、その上から稲妻と炎の連続魔法で燃え尽きさせてしまった。
「ふう。手間のかかる刀だった。
なぁ、いちこ・・・?いちこ、おい。」
「蒜名さん、しっかりしてください。
リズ、蒜名さんの血を止めて。」
「おい、なんで俺が回復師をする必要がある?
だいたい、俺は魔族だからそんな魔法使えないのわかるだろう。」
「転送魔法くらいできたでしょ。
すぐに静歌さんを呼ぶか、私たちを診療所へ移動させるくらいのことしてくれないの?」
「わかった・・・わかった。
ほんとにおまえはいつも偉そうだなぁ。
けど、俺はおまえに逆らえないからな。
病院までひとっとびで行くぜ。」
診療所で蒜名は緊急手術と回復術を受け、翌朝目を覚ました。
「う・・・ここは・・・?
いちこ?
いちこが目の前で寝てるって・・・おい。」
「う~~~ん・・・あっ蒜名さん、気がついたんですね。
傷はちゃんとふさがっていますから、安心してください。」
「すまない・・・俺を介抱してくれたのだな。」
「大したことは何も・・・ここで見てただけですし。
あ、お腹すいてますよね、おにぎりだけ用意しておいたんです。
座れますか?」
「ああ、ありがとう。でも・・・利き手が・・・。」
「じゃ、口を開けてください。
私がおにぎりを持ちますから。」
「なっ・・・!そんな、左手でいけるから・・・。」
「嫌ですか?」
「えっ・・・嫌というわけではないが、ちとはずかしいというか。
こういうことは母にもしてもらったことがない。
俺は母の顔も知らないのでな。」
「そうでしたか、じゃ初めてさんもいいじゃないですか。
あ~~~んして。」
「あ~~~~ん。うん、うまいよ。
幼な子はこうやって母親に介抱してもらえるんだろうな。」
「ふふふっ」
「なっ、何だ!その得意気な顔をして。」
「だって、蒜名さんって立ってるときはすごく背が高くてお顔が遠いでしょ。
ベッドに座ってくれたらやっとお世話できるんだもの。」
「それがそんなうれしいことなのか?」
「はい。それに、いつも蒜名さんってとっつきにくいっていうか、こう眉間にしわがあって怖いっぽいじゃないですか。
だけど、今の蒜名さんはかわいいなって・・・あっ、ごめんなさい。
目上の人に対して失礼すぎですよね。すみません。」
「ククッ。では、これからは膝枕以外に座って食べ物を食べさせてもらうこともしてもらおうか。」
「へっ!?ひ、蒜名さん・・・。
そ、そういうのってはずかしいとか思いません?」
「うん。多少はな・・・だが、俺は前にも言ったが母親の顔も知らない子どもで施設で育った。
見てくれる人たちはそれなりに親切にしてくれたんだが、ひとりだけを特別にご飯を食べさせてくれたり、膝枕などさせてくれはしない。
ひとりで何人もの世話をしてるんだしな。
食べさせてもらえるのは赤ん坊前後くらいな小さな子だけ。
正直いって、かなり大きくなってからもうらやましかった。
それにもう、このとおり大きく育ちすぎてしまったしな。」
「そうですね、とっても大きくなっちゃって。うふふふ。」
「蒜名さん!!リズ、燃えきってないじゃない。
あの欠片を何とかして。このままじゃ蒜名さんが・・・生贄にされちゃう!」
「くそぉ!執念深い刀だ。蒜名そいつを地面にたたきつけろ!」
「くう・・・地面に・・・地面に。
ぬおーーーりゃあーーーー!!!」
蒜名が痛みに耐えながら金属片を地面にたたきつけたところをリズナータは土で動きを封じ、その上から稲妻と炎の連続魔法で燃え尽きさせてしまった。
「ふう。手間のかかる刀だった。
なぁ、いちこ・・・?いちこ、おい。」
「蒜名さん、しっかりしてください。
リズ、蒜名さんの血を止めて。」
「おい、なんで俺が回復師をする必要がある?
だいたい、俺は魔族だからそんな魔法使えないのわかるだろう。」
「転送魔法くらいできたでしょ。
すぐに静歌さんを呼ぶか、私たちを診療所へ移動させるくらいのことしてくれないの?」
「わかった・・・わかった。
ほんとにおまえはいつも偉そうだなぁ。
けど、俺はおまえに逆らえないからな。
病院までひとっとびで行くぜ。」
診療所で蒜名は緊急手術と回復術を受け、翌朝目を覚ました。
「う・・・ここは・・・?
いちこ?
いちこが目の前で寝てるって・・・おい。」
「う~~~ん・・・あっ蒜名さん、気がついたんですね。
傷はちゃんとふさがっていますから、安心してください。」
「すまない・・・俺を介抱してくれたのだな。」
「大したことは何も・・・ここで見てただけですし。
あ、お腹すいてますよね、おにぎりだけ用意しておいたんです。
座れますか?」
「ああ、ありがとう。でも・・・利き手が・・・。」
「じゃ、口を開けてください。
私がおにぎりを持ちますから。」
「なっ・・・!そんな、左手でいけるから・・・。」
「嫌ですか?」
「えっ・・・嫌というわけではないが、ちとはずかしいというか。
こういうことは母にもしてもらったことがない。
俺は母の顔も知らないのでな。」
「そうでしたか、じゃ初めてさんもいいじゃないですか。
あ~~~んして。」
「あ~~~~ん。うん、うまいよ。
幼な子はこうやって母親に介抱してもらえるんだろうな。」
「ふふふっ」
「なっ、何だ!その得意気な顔をして。」
「だって、蒜名さんって立ってるときはすごく背が高くてお顔が遠いでしょ。
ベッドに座ってくれたらやっとお世話できるんだもの。」
「それがそんなうれしいことなのか?」
「はい。それに、いつも蒜名さんってとっつきにくいっていうか、こう眉間にしわがあって怖いっぽいじゃないですか。
だけど、今の蒜名さんはかわいいなって・・・あっ、ごめんなさい。
目上の人に対して失礼すぎですよね。すみません。」
「ククッ。では、これからは膝枕以外に座って食べ物を食べさせてもらうこともしてもらおうか。」
「へっ!?ひ、蒜名さん・・・。
そ、そういうのってはずかしいとか思いません?」
「うん。多少はな・・・だが、俺は前にも言ったが母親の顔も知らない子どもで施設で育った。
見てくれる人たちはそれなりに親切にしてくれたんだが、ひとりだけを特別にご飯を食べさせてくれたり、膝枕などさせてくれはしない。
ひとりで何人もの世話をしてるんだしな。
食べさせてもらえるのは赤ん坊前後くらいな小さな子だけ。
正直いって、かなり大きくなってからもうらやましかった。
それにもう、このとおり大きく育ちすぎてしまったしな。」
「そうですね、とっても大きくなっちゃって。うふふふ。」