異国で咲く花
痛みがじわっとまだ続いたので、いちこは慌てて、リズナータを外へと呼び出した。
ボワン!!!
「うぅ・・・うわっ・・・いたっ・・・痛い。」
「リズ、どうしたの?・・・どこが痛いの?・・・ねぇ、七杜さん!!!」
「はぁはぁ・・・あっ・・・俺は・・・どうして、ここに?」
「私が呼び出したのよ。だって私の胸がギュッって痛くなって、びっくりしたんだもん。
いったい、どうしたの?」
「体がムズムズして、頭が痛くなって、力を持て余すような感情に襲われて・・・そんなことになったら、いちこの体が破壊されてしまうと思ったら、暴れて知らせるほかなくて。
それから・・・外に出たら呼吸が苦しくなったんだが・・・おまえが七杜さんって呼んだ途端に何ともなくなって落ち着いた。
あらためてこうやっていちこを前にしてみると、俺は・・・おまえを・・・。」
「リズ?・・・七杜さん??あ、だ・・・だめですって。や、やだっ!」
「嫌なのかい?俺は、おまえが呼び出すたびにこの思いをどうしたらいいのか、苦しくてたまらないのに。」
「えっ!?
ど、どういう意味?リズ・・・ほんとにリズなの?なんか・・・リズから遠のいたような気がして・・・。」
「リズって誰だ?俺は・・・七杜だ。
おまえとずっと居たいために、赤い本を開いた。
ずっとそばにいられればそれでよかったはずなのに、やっぱりこうやって2人きりでいれば我慢なんてできない。
鬼を見ても俺に優しい笑顔で接してくれて、かわいいおまえがもう愛しくてたまらなくなった。
だが、動かなくなったいちこを見たときには、俺は狂っていた。
俺の完全な意識がもどったのはついさっきだ。
どんな仕掛けなのかはわからないが、俺の体はもうないし、俺はおまえの用心棒役の魔物だ。
魔物に好かれてもうれしくないだろうってのはわかってるんだ。
けど・・・俺は触れたい。」
「七杜さん・・・って呼んだ方がいいんですよね。
見かけはリズだけど、すっかり中身は七杜さんになってる・・・。
きっと、元祖リズナータが自分の忘れ物をすべて持ち帰ったからですよ。
七杜さんにもどったのはよくわかりました。
七杜さんの気持ちもうれしいです。
だけど・・・ごめんなさい。今夜はまだダメ、少しだけ待ってください。」
「いちこ!そりゃない・・・って・・・えっ!!!おい、や、やめてくれって。」
いちこはピアスを擦って七杜を強制的に閉ってしまった。
(ごめんなさい、七杜さん・・・もう少しだけ待ってください。
時空のことや結界のことがきちんとメドがついたら、七杜さんの望みはききますから。)
いちこは胸を押さえて七杜に願った。
すると背後から声がした。
「どこに行っていたんですか?」
「静歌さん?・・・どうして事務所に?」
「それを訊くのは私の方です。あなたが教会へいってその後の足取りがわからなかったんですが、事務所にもどっていたとは・・・。
まだ寝床がないでしょうし、事務所のままってわけにもいかないでしょう。
さっき、胡紗々先生が晴海と仮眠室にしているところにベッドが置けるから、いちこも来るように捜していましたよ。」
「あ、いいんですか?わかりました。診療所にいってみます。
すみません、ありがとうございました。」
「いや、それより・・・神の話・・・きいたんだよね。
時空のゆがみとか結界の話とか?」
「さすが静歌さん、よく御存じですね。
ええ、教会で綱樹さんに教えてもらって、それから前のリズナータ、今は天使フーイになったんですけど、彼にアドバイスしてもらいました。」
「ほぉ・・・天使ねぇ。興味深いです、眠くなければ少しでいいので話してもらえませんか?」
ボワン!!!
「うぅ・・・うわっ・・・いたっ・・・痛い。」
「リズ、どうしたの?・・・どこが痛いの?・・・ねぇ、七杜さん!!!」
「はぁはぁ・・・あっ・・・俺は・・・どうして、ここに?」
「私が呼び出したのよ。だって私の胸がギュッって痛くなって、びっくりしたんだもん。
いったい、どうしたの?」
「体がムズムズして、頭が痛くなって、力を持て余すような感情に襲われて・・・そんなことになったら、いちこの体が破壊されてしまうと思ったら、暴れて知らせるほかなくて。
それから・・・外に出たら呼吸が苦しくなったんだが・・・おまえが七杜さんって呼んだ途端に何ともなくなって落ち着いた。
あらためてこうやっていちこを前にしてみると、俺は・・・おまえを・・・。」
「リズ?・・・七杜さん??あ、だ・・・だめですって。や、やだっ!」
「嫌なのかい?俺は、おまえが呼び出すたびにこの思いをどうしたらいいのか、苦しくてたまらないのに。」
「えっ!?
ど、どういう意味?リズ・・・ほんとにリズなの?なんか・・・リズから遠のいたような気がして・・・。」
「リズって誰だ?俺は・・・七杜だ。
おまえとずっと居たいために、赤い本を開いた。
ずっとそばにいられればそれでよかったはずなのに、やっぱりこうやって2人きりでいれば我慢なんてできない。
鬼を見ても俺に優しい笑顔で接してくれて、かわいいおまえがもう愛しくてたまらなくなった。
だが、動かなくなったいちこを見たときには、俺は狂っていた。
俺の完全な意識がもどったのはついさっきだ。
どんな仕掛けなのかはわからないが、俺の体はもうないし、俺はおまえの用心棒役の魔物だ。
魔物に好かれてもうれしくないだろうってのはわかってるんだ。
けど・・・俺は触れたい。」
「七杜さん・・・って呼んだ方がいいんですよね。
見かけはリズだけど、すっかり中身は七杜さんになってる・・・。
きっと、元祖リズナータが自分の忘れ物をすべて持ち帰ったからですよ。
七杜さんにもどったのはよくわかりました。
七杜さんの気持ちもうれしいです。
だけど・・・ごめんなさい。今夜はまだダメ、少しだけ待ってください。」
「いちこ!そりゃない・・・って・・・えっ!!!おい、や、やめてくれって。」
いちこはピアスを擦って七杜を強制的に閉ってしまった。
(ごめんなさい、七杜さん・・・もう少しだけ待ってください。
時空のことや結界のことがきちんとメドがついたら、七杜さんの望みはききますから。)
いちこは胸を押さえて七杜に願った。
すると背後から声がした。
「どこに行っていたんですか?」
「静歌さん?・・・どうして事務所に?」
「それを訊くのは私の方です。あなたが教会へいってその後の足取りがわからなかったんですが、事務所にもどっていたとは・・・。
まだ寝床がないでしょうし、事務所のままってわけにもいかないでしょう。
さっき、胡紗々先生が晴海と仮眠室にしているところにベッドが置けるから、いちこも来るように捜していましたよ。」
「あ、いいんですか?わかりました。診療所にいってみます。
すみません、ありがとうございました。」
「いや、それより・・・神の話・・・きいたんだよね。
時空のゆがみとか結界の話とか?」
「さすが静歌さん、よく御存じですね。
ええ、教会で綱樹さんに教えてもらって、それから前のリズナータ、今は天使フーイになったんですけど、彼にアドバイスしてもらいました。」
「ほぉ・・・天使ねぇ。興味深いです、眠くなければ少しでいいので話してもらえませんか?」